[メイン2] 和泉 十七夜 : ぱちり、目を開くと。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 開けてはいるものの、森の中。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 太陽の光は差し込みながらも、それでも薄暗いこの場所に飛ばされてきたわけではあるのだが。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…ここが、自分のついた場所か」

[メイン2] 和泉 十七夜 : そうして、まずは警戒を。

[メイン2] 和泉 十七夜 : くるり、と辺りを見回し。
気配がないか探ってみるが────

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……これは、奇遇だな」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「猟虎君」

[メイン2] 和泉 十七夜 : がさりと動く気配。
それを感じとった自分は、一度警戒しようと指輪を持ち直すが。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……ふう、と息を吐き。
見知った相手、その中でも会う約束をしていた友とまみえた。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───!!? 和泉さんっ……!!!」
先ほど、しばしの別れを覚悟していた親友の一人が
声をかけてくれた。けれど、これだけの気配で気づくなんて……! それほどわたくしの事を意識してらっしゃるのでしょうか……!!

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……自分の見知らぬところで怪我をしていたら、それこそ自分の責任だ。
守る、と決意した以上は……誰であろうと。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「わわわ わたくし……何だかんだ不安でして……」
胸に手を置いて、ふーっ、と息をつく。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……む?……ああそうか、当たり前だな…こんなものに巻き込まれて」

[メイン2] 和泉 十七夜 : びくびくとした様子に少し違和感を覚えたが。
息を吐くその姿を見て、一人合点。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「……本当 なんでこんな事になってしまったのでしょう───……」
説明を鵜呑みにするなら。わたくし達はただ選ばれただけの哀れな子羊。
冷たい首輪を、つーっ、と指でなぞりながら。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「だが安心しろ、自分の目の黒い内は誰も怪我は……させないつもり、だ」
………果たしてそんなことが出来るのか、などとも思いつつ。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「は はい! 和泉さんがいれば もうわたくしそれだけで……心が安らいで……! お、お、お腹の下あたりがキュンとして……!」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…確かに不幸ではある、が。すぐに再開できたのは、それこそ不幸中の幸いだろうな。」
安心づけるように、にこりと。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……む、体調不良か…!?」
……お腹の下あたり……どういうことなのだ…!?

[メイン2] 和泉 十七夜 : …ま、まさか……何かガスを吸った際に何か変なことが……!?

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「え あっ ちちち 違います! えーっと……!」
ふとリュックの方を見て、再び和泉に視線を送ると。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 顔は真顔のまま、少し焦っている。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……む、そうか」
とはいえ本人がそういうなら、間違いないのであろう。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「す、少し……お腹を空かせてしまって……支給品に食料でもあるかな、と」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 支給品───ここに入っているのは、先ほど配られた『武器』……

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……かくいう自分も、この異常な状況に慣れているわけではない。
平然とは振舞っているが、これからの未来を考えると………。

[メイン2] 和泉 十七夜 : だから、守る”者”があった方が、自分こそ、安心できる、のだが。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……ああ、そうだったな。」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「では、折角だし開けてみようか?」

[メイン2] 和泉 十七夜 : ごとん、と自らの鞄を担ぎ、猟虎と隣り合わせに。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「そうですね……」
リュックを地面に置いて、万が一を考えないような振る舞いをしつつ。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「って、いい、い、和泉さんっっ……!」
ち、近い近い近い~~!

[メイン2] 弓箭猟虎 : わたくし、和泉さんとこんな、もうほぼくっついてる状態に……!

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「腹は減っては戦は出来ぬ、だからな」
ごそごそ、なんとなしに近づいている。本人は近いことに気づいていない。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……むむ、不都合であったか?危険も考えて近い方がいいのではと思ったが」

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……何かしてしまったのだろうか。いや。やけに顔も赤いような気がするし…
体調不良、その路線は間違ってないのでは…?

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「わわ わたくしを考えての事ですの!? あ あ……! 和泉さん……!」
ああ幸せです……! わたくしは感謝と幸せで、胸がいっぱいになりながら
まるで悴んだかのように手を震わせつつ、リュックをゆっくりと開く。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ううん、と唸りつつ。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「そうだ、猟虎君に何かあっては…困るからな」
同じようにして、リュックをゆっくりと開く。

[メイン2] : 単刀直入に言えば、猟虎のリュックから出てきたのは
その小さなリュックに対して、質量というかサイズ感というか諸々を無視した───……

『拷問台』だった。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「…………和泉さんの方は、どーでしょう……」
正直、開いた口が塞がらなくなりそうだった。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……”仲間”を傷つけられるのは、もう二度と…したくないものだからな。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…………」

[メイン2] 和泉 十七夜 : そうして開いた中には。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 一輪の百合が、ちょこんと。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…自分は、花が入っていた」
一本、百合を見せて。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───……」
おそらく、和泉さんがこちらを向いたときに
わたくしの目の前に、ドンと置かれた拷問台が見える事でしょう。

[メイン2] 弓箭猟虎 : その一輪の百合とは対照的な───って、ゆゆゆ、百合!!?

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…………これ、は……」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…凄まじいモノだな」

[メイン2] 和泉 十七夜 : そびえるコード、そして台。
明らかに拷問専用のそれが、見えていて。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「えっ あっ はい……そのわたくしが察するにこれは……良くて……拘束台……ですかね?」
拷問台とはハッキリ明言はしない。どうやらこれは拘束して、その上で電流を流せるようだ。
『連打』に慣れてないと即ゲームオーバーだろう。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……む?これは百合というのか…詳しいな」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……みたいだな、奴らはどう使う意味で渡してきたのやら」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「は はい! ゆ、百合ですわ! 和泉さんにとてもお似合いですわよ! 白いから花言葉は……「純潔」「威厳」ですわ!」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───あっ 確かに」
冷静に考えれば、こんなの『武器』じゃない。わたくしのも……まあ。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「お、おお……!?これは驚いた、本当に博学なのだな…!」
ぱちくり、猟虎と百合へと目線を交互に通わせ。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……ふむ、では…猟虎君、欲しいか?…この花」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「あ あ ……博学だなんてそんな 和泉さんほどでは───へ?」
目前に差し出される、白百合。

[メイン2] 和泉 十七夜 : そう、『武器』ではない。
だが、自分はあくまでも魔法少女。
魔法を扱う者。武器などなくても、戦うことは出来る。

[メイン2] 和泉 十七夜 : だからこそ────

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……いや、なんだ……自分には合いそうにない。戦わない、と決意しているような猟虎君やこはね君が持つにふさわしいものだろう」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 純潔、というのであれば。
手を汚さないような人間に渡すのが道理であろう。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「そ そそ そんな……! 和泉さんにこそピッタリですわよ……! でも……わたくしに白百合を授けてくれるなんて」
───『純潔』『威厳』
本当はわたくし、そんなものとは無縁。いや捨てたような物。けれど、和泉さんの前では……わたくし……!

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「う 嬉しいですわ……!」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「うむ、受け取ってくれたまえ」
にこり、安心させるようにその一輪を手渡す。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……猟虎君…不安も剥がれてきている…だろうか?
今の花や言葉掛けで、安心してくれてるといいのだが。

[メイン2] 弓箭猟虎 : そのまま、白百合を手渡される。

───その瞬間、袖口の銃口は和泉さんを捉えていた。
…………完璧に、わたくしは『純潔』を、演じ切ることができている。
だから、この銃口にも気づかれる事はない。その確認だけがしたかった。
もちろん、撃たない。だって和泉さんですもの。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「あ ありがとう───ございますわ……!」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「────」

[メイン2] 弓箭猟虎 : そのまま、腕を曲げて
組み立てた狙撃銃を、即座に分解。音もなく。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……あ、ああ……嬉しんでくれたなら、よかった」
一瞬、ぶわりと”何か”が十七夜を通ったが。
それの正体に気づかずに。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……今のは、一体……?

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「一生の 一生の宝物にいたしますわ……!」
ああ 和泉さんの触れた白百合 和泉さんのくれた白百合
どんな値打ちでも売り渡しません。嬉しいです。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……一生だなんて、そこまで惜しがるものか?所詮はただの花であると思うのだが……」

[メイン2] 和泉 十七夜 : む、とその態度には気づかずに。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「だって───和泉さんがくれたという思い出は、今この瞬間だけのものですから……!」
にこっ、と笑みを見せる。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……ふむ、それに満足しているのならいいのだが……」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 所謂メイド喫茶店をやっている十七夜ではあるが、思い出であったり好意であったりしたものを認識するのは下手で。

[メイン2] 和泉 十七夜 : …だが、うむ。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「はい!」
───さて、警戒すべき人物は何人かいたが
確実なのはファヴニルと、バンディット。親友だと思っていましたが……ああいう方でしたか。仕方ありませんね。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ”友”が笑みを見せてくれるのであれば、こちらも嬉しくなるな。
にこり、と微笑み返して。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「もう本当に……! あっ ああ……」
微笑み返されて、その眩しさに思わず顔がまた惚ける。
和泉さん、わたくしはあなたがメイドをやっている事も知ってますのよ……! 任務のせいで行けた試しはありませんけれど。

[メイン2] 弓箭猟虎 : もし機会があれば、わたくし、わたくし
オムライス100杯はいけちゃいます……!

[メイン2] 弓箭猟虎 : そう、『任務』以外は口には出さず。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「ああそうだ……自分はメイド喫茶もやっている。機会があれば来るといい」
百合,思い出というワードに思い付きでそう返し。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……最も、帰れたらの話にはなるがな」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「……そうですね……こはねさんと、和泉さんと、一緒に……また『日常』に戻りたいものです」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「こんな『非日常』から、抜け出すためにも……”友”にやられるようにしないとな」

[メイン2] 弓箭猟虎 : (───それに、こんな場所じゃあ……堂々と、かつ誰にも気づかれず……獲物を甚振って楽しむこともできませんし)

[メイン2] 弓箭猟虎 :  

[メイン2] 弓箭猟虎 :  

[メイン2] うちはマダラ :  

[メイン2] うちはマダラ :

[メイン2] うちはマダラ : 「とは言え…」

[メイン2] うちはマダラ : 「この乱戦下、全てを相手にしても面白いが」

[メイン2] うちはマダラ : 「折角だ、強いモノを重点的に探す事にするか」

[メイン2] うちはマダラ : 「何より、奴は首輪がどうたらと言っていた」

[メイン2] うちはマダラ : 「ならば───何かしら起きているに違いはない」

[メイン2] うちはマダラ : そう言い、印を結ぶ

[メイン2] うちはマダラ :  

[メイン2] うちはマダラ : 『多重』

[メイン2] うちはマダラ : 『木遁分身の術!』

[メイン2] うちはマダラ :  

[メイン2] うちはマダラ : 「行け」

[メイン2] うちはマダラ : そう言い放つや否や、身体から現れた鎧武者の男の分体は

[メイン2] うちはマダラ(1) : 各々更に分身を生み出しながら

[メイン2] うちはマダラ(2) : 島の四隅に散らばっていった

[メイン2] うちはマダラ(2) :  

[メイン2] うちはマダラ(3) :   

[メイン2] うちはマダラ(4) :  

[メイン2] うちはマダラ : 「──コユキ、だったか」

[メイン2] うちはマダラ : 「まず一人」

[メイン2] うちはマダラ : 「それに…」

[メイン2] うちはマダラ : 「面白いチャクラが…点在しているな?」

[メイン2] うちはマダラ : 「───さて」

[メイン2] うちはマダラ : そう言い、空を見上げる

[メイン2] うちはマダラ : アレが軌道に乗るのは

[メイン2] うちはマダラ : いつになるやら

[メイン2] うちはマダラ :  

[メイン2] 黒崎 コユキ :  

[メイン2] 黒崎 コユキ :  

[メイン2] 黒崎 コユキ : ……はーっ

[メイン2] 黒崎 コユキ : はーっ……

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「……疲れた」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「……」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「後悔はしない」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「絶対後悔はしてない」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「アイツを殺す方が後悔した」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「……よし!」

[メイン2] DIO : ザザッ

[メイン2] 黒崎 コユキ : そんな事を呟きつつ、誰かを探して…

[メイン2] DIO : 「おや………」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「ッ!」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「…」

[メイン2] DIO : あそこに居るのは

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「DIOさん」

[メイン2] DIO : 「黒崎さんじゃないですか」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「…よかった、もう」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「さっきから危ない奴ばっかだったんだぞ、本当」

[メイン2] 黒崎 コユキ : その証拠に、白く仕立てたタキシードは

[メイン2] 黒崎 コユキ : もうドロドロ、返り血もすごい

[メイン2] DIO : 「そうなのですか?私もファブさんが襲ってきて…大変でしたね」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「嗚呼、成保…」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「ねぇDIOさん」

[メイン2] DIO : 「なんですか?」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「殺し合いはもう勘弁だよね?」

[メイン2] DIO : 「えぇ、私もです」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「じゃあ」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 海水をぶっかける

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「はい」

[メイン2] DIO : 「一体なにを!?」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「首首、ほら」

[メイン2] DIO : 「首?……」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 手で首輪のモーション

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「外れてるでしょ」

[メイン2] DIO : 「…………こんな簡単に外れるとは」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「悪魔の実の能力だから、ね」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「…DIO」

[メイン2] DIO : 「マダラさんにも是非会って教えてあげたいですね」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「アイツには私目を付けられてるんだけど…」

[メイン2] DIO : 「えぇ…何やらかしたんですか?話しましたが、彼は良い人でしたよ」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「…出会ってすぐ襲われたわよ??」

[メイン2] DIO : 「?????」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「ま、まぁいいわ」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「私はこの方法を他にも教える」

[メイン2] DIO : 「なるほど…名案ですね」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「でも、このままだと意味は無いの」

[メイン2] DIO : 「……と、言うと?」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「ファヴニルもそうだけど…多分」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「"これを知っても止まらないヤツ"」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「首輪は縛りだけど、願いを叶える権利でもある」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「全員殺して願いを叶えてやろうって奴にはこれじゃ意味ないの」

[メイン2] DIO : 「ふむ………」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「だから、止めないといけない」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「…ねぇDIO」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「貴方なに支給された?」

[メイン2] DIO : 「万能地雷グレイモヤです。」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「…」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「ま、まぁいいわ」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「やっぱ、強くても何か送られるのね」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「…私はこれ」

[メイン2] クラフトワーク : すぐ傍に、スタンドヴィジョンを

[メイン2] DIO : 「なるほど…スタンドでしたか…黒崎さんもスタンド使いに」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「ええ」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「でも、私一人じゃ意味ないから…だから」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「DIO」

[メイン2] DIO : 「はい。」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「もし生きたい人が居たら、その人の為に教えてあげて欲しいし」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「こんな勝負に加担する奴が居るなら、躊躇わないで」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「私は…」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「…」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 脳裏に、バンディットの顔が

[メイン2] DIO : 「…………」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「…私は、こんなことで死ぬのも」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「バカな奴や、平和ボケした奴が死ぬのも」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「…耐えられない」

[メイン2] DIO : 「えぇ、そうですね……」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「だから」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「…もし必要だと思ったら戦って」

[メイン2] DIO : 「…………わかりました」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「…ごめんね、まぁ」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「この島、多分」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「もう戦場だしね」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「…よし、まぁ言いたいことは言った」

[メイン2] DIO : 「……………」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「一応言っとくけど、DIOなら首輪が無ければ逃げられるでしょ」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「なんでまぁ、ほぼ我儘だし」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「でもまぁ、言うだけ行ったという事でね」

[メイン2] DIO : 「分かりました」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「じゃあええと…」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「何かどっか行く?」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「私人捜してるだけだから、どこか行くならついて行くけど」

[メイン2] DIO : 「そうですね…縁壱さんと合流をしてみたいなとは思うのですが」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「成保」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「じゃあついてく」

[メイン2] DIO : 「では…行きましょうか」

[メイン2] 黒崎 コユキ : こくり頷いて

[メイン2] 黒崎 コユキ : そのままDIOに追従する

[メイン2] DIO : 「縁壱さん、無事だと良いのですが…」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「無事だと思う」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「私はむしろ、他のメンバーの方が心配よ」

[メイン2] DIO : 「そうですね…こはねさんとかは特に心配です」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「ああ言ってたからね」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「…他も大概、ただまぁ」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「会うまでは何も出来ない、から」

[メイン2] DIO : 「……ですね」

[メイン2] 黒崎 コユキ : 「行きましょう、ええ」

[メイン2] DIO : 「行きましょう。」

[メイン2] 黒崎 コユキ : そのまま、森の藪の中に入って行くのだった

[メイン2] 黒崎 コユキ :  

[メイン2] 黒崎 コユキ :  

[メイン2] うちはマダラ :  

[メイン2] うちはマダラ :  

[メイン2] うちはマダラ : 「木遁分身がやられたか」

[メイン2] うちはマダラ : 「それなりにチャクラは多めに配分したのだが」

[メイン2] うちはマダラ : 「落ちるとはな」

[メイン2] うちはマダラ : 「縁壱か」

[メイン2] うちはマダラ : 少し震えだし
まるで…玩具を与えられた子供のように

[メイン2] うちはマダラ :  

[メイン2] うちはマダラ : 笑みを、浮かべていた

[メイン2] うちはマダラ :  

[メイン2] 鳩谷こはね :  

[メイン2] 鳩谷こはね :  

[メイン2] 鳩谷こはね : 砂塵の中、こはねらは戦場から脱し。

[メイン2] 鳩谷こはね : 「はぁ……はぁ……はぁっ……!」

[メイン2] 鳩谷こはね : 肩で息をしながら、無我夢中で走る。
師匠の姿を頭に浮かべながら。その安否を祈りながら。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───」
和泉さんに抱えられながら。わたくしは、戦いの結末、いや始まりすら知りたくない悪寒を走らせながら。
その、音すらも聞こえない事に安堵してしまっていた。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…はぁっ、ここまで来れば、平気だろう…降りるか?」

[メイン2] ホー : どたどたと腕を掴まれながら付いていく。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 雷を残しながら、抱える彼女へと視線を向けて。

[メイン2] 鳩谷こはね : 「はぁ……はぁ……そう、だね……ここ、なら……ふぅ……」
和泉に頷き、近くにあったベンチへ座る。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「あ あ……はい……! すいません……和泉さん……」
警戒の色を強めすぎて、自分はそれに染め上がってしまい
足がすくんでしまっていた。和泉さんには、感謝しかないです。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……あの場では逃走しかできないこの身を…悔やむものだ。
だが、今は…安堵、していられるだろうが。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…うむ、では休むといい」

[メイン2] 鳩谷こはね : ………こはねの心の中で、モヤモヤがずっと渦巻く。

[メイン2] 鳩谷こはね : 「………師匠……」

[メイン2] 和泉 十七夜 : そう言い、ベンチへと猟虎を座らせる。

[メイン2] 鳩谷こはね : しょんぼりとした表情で。

[メイン2] ホー : 周りを警戒するように耳をピクピクと動かす。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 私は、和泉さんからゆっくりベンチへと座らされる。
そして、その際に───

[メイン2] 鳩谷こはね : 「……?……っ……ネコ、ちゃん……?」

[メイン2] 鳩谷こはね : ネコちゃんの、この反応……。

[メイン2]   : 和泉に、妙な異物の感触が伝わる。

[メイン2] 和泉 十七夜 : あくまで自らは立ったまま、周囲に来る者へと……

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……なに?

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「! ───和泉さん、ありがとうございます……」
さっ、と腕を和泉さんから離して、ベンチに座り込む。

[メイン2] 和泉 十七夜 : その異物の感触を、思わず”確かめよう”とするが。
離れた彼女からは、それは伝わらない。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「………あ、ああ…」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───! 怪獣さん、どうしたんですか?」
和泉さんに気取られないよう、わたくしは耳をピクピクと震わせる怪獣さんに視線を送り。

[メイン2] ホー : ────その反応は…

[メイン2] ホー : 空に。

[メイン2] 鳩谷こはね : 「…………?」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 違和感を拭えないまま、しかし目線はホーのもとに。

[メイン2] ホー : この島を脅かす何かが接近しようとしていた。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……む、ネコちゃん君……どうし…… な、に」
彼の視線を送った後に、見えた空。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───……どうしたんですか!?」
再び、走る───悪寒。
おそらく、怪獣さんはその正体を今、もうすぐ知ろうとしている。

[メイン2] 弓箭猟虎 : え?

和泉さんが、空を見たのに続いて。

[メイン2] 弓箭猟虎 :

わたくしも 空を 見た。

[メイン2] 鳩谷こはね : みんなが空を見上げていた、それが気になって。
私も見上げたら─────。

[メイン2] 鳩谷こはね : 「─────え?」

[メイン2] 和泉 十七夜 : そこに在ったのは、この島と同質ほどの”落ちる星”。

[メイン2] ホー : 膨大な質量がもうすぐこの島に降り注ぐ。

[メイン2] 和泉 十七夜 : そう、全員の注意は”空”に向いた、向いてしまったのだ。

[メイン2] ファヴニル・ダインスレイフ :  

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───っあ」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 刹那、気づいたときには。

[メイン2] ホー : その耳は異変に気付く、だが身体が追いつかない。

[メイン2] ファヴニル・ダインスレイフ : だから、颯爽と獲物を捉える竜の爪は
こはねを捉え、そのまま走り去っていく

[メイン2] 鳩谷こはね : 「─────きゃあっ!?」

[メイン2] ファヴニル・ダインスレイフ : 「…悪いが、付き合ってもらうぜ!」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「────なッ、こはね君…!」

[メイン2] 鳩谷こはね : ジェットコースターに乗ったように、体が振り回される感覚─────。

[メイン2] 鳩谷こはね : 「……っ……!?ファヴ、さん……!?」

[メイン2] ホー : その口が光線を発射しようとしたときには…

[メイン2] 鳩谷こはね : 力づくでその拘束を振りほどこうとするも。

[メイン2] 鳩谷こはね : 成人男性と女子高生とでは、残酷なまでに筋力の差があり。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 体は咄嗟に、鞭を持ち直すが────。
けれど、その判断が、間違っていた。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 手を伸ばせばつかめたかもしれないものを、持ち替えた一瞬の隙。
その刹那に────

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「!! ファヴ───!!!」
大切な、大切な親友が───……今、わたくしが最も警戒していた張本人に
さらわれて───

[メイン2] 弓箭猟虎 : わたくしは、その腕をピンと伸ばし
袖口……銃口を向けようとしたが、が、間に合わない。

[メイン2] 鳩谷こはね : 離れていく、和泉ちゃん、弓箭ちゃん、ネコちゃん達の姿。……瞬時に、理解する。私は……"一人"になってしまう、と─────。

[メイン2] 鳩谷こはね : "最後"に私は、3人へ向けて─────。

[メイン2] 鳩谷こはね :  

[メイン2] 鳩谷こはね : 「─────私は、大丈夫!!!」

[メイン2] 鳩谷こはね :  

[メイン2] 鳩谷こはね : そう叫んだ、その声は、都会のビル群に木霊して消えて行く。

[メイン2] ホー : 慟哭のような声が、あたりに鳴り響いた。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「こっ、こはねッッ…!!!!」

[メイン2] 和泉 十七夜 : ぱしん、と鞭で叩いても、虚空を鳴らすだけ。
こはねの声と、その音がむざむざ響くだけだった。

[メイン2]   : その時、少し離れた場所から男の声が

[メイン2]   : 『二個目はどうする?』

[メイン2]   : 『コユキ』

[メイン2]   : そんな声が、少し離れた場所から

[メイン2] ホー : その声に反応し振り向いた途端…

[メイン2] ホー : 身体が、重さを感じた。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 声がした。
だからこそ、振り向いた。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ────そこに在った、質量の星が……

[メイン2] 和泉 十七夜 : ”二つ”になっていることに。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───は……」
わたくしは、目を開いた。
けれど目をどれだけ見開いても、それで精一杯なほどのそれが。

[メイン2] 弓箭猟虎 : ───これに対して、何かできる事はある?

ない
ないないないないないない……!!!
あるわけが───ない

[メイン2] 和泉 十七夜 : こはね君が攫われた?ファヴニルを追いかけるか?それともこの場で立ち尽くすか?自らだけがこの場で動くか?

[メイン2] 和泉 十七夜 : ────否。
頭を、冷やせ。緑壱が言っていたように、そう

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「二人とも!!」

[メイン2] ホー : ──何も、その耳が聞くのは隕石の落ちる音だけではない。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 額に滲む汗を拭う事もなく、茫然としていると
和泉さんの声が、耳朶に触れて、やっと───わたくしが戻ってくる。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「!」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「できる限りでも、アレを迎え撃つ!!!”皆”で!」

[メイン2] ホー : この島の悲しみの声、そして人々が悲嘆にくれる声…

[メイン2] ホー : そして、その言葉が届いた。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……自分の”悲観”な声を押し殺して、ただ出たその言葉。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…誰がやったか知らないが、こんな事をするのはさぞ傲慢な者であろうよ!」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───和泉さんなら、あるいはこはねさんなら……そして……怪獣さんなら……そして縁壱さんなら……けれど」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「わたくしには、何も……!」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……猟虎君は、祈ってくれ」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「自分たちが、あの無謀ともいえるモノを…壊せるように」
”希望”であれるように。

[メイン2] ホー : 大丈夫だ、その悲しみの声が自分を強化する。

[メイン2] ホー : 「ホー!!!!」
ひと際大きな鳴き声をあげると

[メイン2] 和泉 十七夜 : そうして、ぱちん、ぱちん、と鞭をしならせ、叩き。

[メイン2] ホー : 2人を一瞥して、ホーはただそのまま落下予定地点へと向かうように森の中へ消えていく。

[メイン2] 和泉 十七夜 : その音が、ばしん、ばしん、バチ、バチ、バチ。
音が打撃から、鳥の鳴くような音に変わっていく。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───! ……和泉さん、怪獣さん……」
涙を浮かべそうになるが拭う事もなく、ひっこめて。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「ああ、二人っきりだ」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「一人なら、きっと無理して自分の限界までやってしまうだろうから」

[メイン2] 和泉 十七夜 : そう言いながら、猟虎へと手を向ける。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…一緒にいてくれないだろうか?」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「!! ……」
一瞬、戸惑ってしまった。

そして……ゆっくりと、手をもたげて。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───和泉さん」

[メイン2] 弓箭猟虎 :

「わたくしで、よければ」

[メイン2] 和泉 十七夜 : …この気持ちは、”本心”だ。
恐怖やら、責任やらで、一人じゃ抱えきれないもの。

[メイン2] 和泉 十七夜 : だからこそ────

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「よろしく、頼んだ」

[メイン2] 和泉 十七夜 : にこり、と笑って。
その手を握る。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「……!!!」
仲間ではない……『親友』から、頼られた。
その事実が、わたくしを暖かく包み込んでいく。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───和泉さん、一つ……白百合の花言葉の事」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…どうした、『親友』」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 心の内を読まずとも────
そうだ、自分たちは親友なのだから。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「……『純潔』そして……『威厳』……やっぱり───」

いつのまにか、わたくしは取り出していた白百合を

[メイン2] 弓箭猟虎 :

和泉さんに返す。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───あなたに、ピッタリですわ」

[メイン2] 和泉 十七夜 : チチチチチチ、と鳴り響く雷は、時間の増すごとに増えて。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「………そう、か……」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「ええ、そうですとも」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「そう送られたのであれば、遠慮せず」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「『純潔』に、『威厳』であってみせよう」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───和泉さん、フフ」

[メイン2] 和泉 十七夜 : その白百合を、胸元に刺して。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……む、笑う所だろうか……」

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……”そう”であれ、と言われたのは初めてだから。
内心は嬉しく。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───帰れたら、和泉さんのメイド姿を拝みながら……皆でオムライスを食べたいですわ」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…ふふ、そうだな…楽しみにすると、いい!」
握ったその手を、しっかりと締めて。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 大きくなる、『怪獣』を目に据えて────

[メイン2] 和泉 十七夜 : 『怪獣』と同質程に大きくなる、雷。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ────魔法少女は、気持ちに左右される存在。感情によって増幅するもの。
故に。

[メイン2] 弓箭猟虎 :

───わたくしなんかが、本当にこうやって心の支えになってもいいのか
少し、不安でしたけれど。ううん、和泉さんが……信頼してくれてるんです。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 十七夜の手は、震えていた、けれど。

[メイン2] 弓箭猟虎 : わたくしの、その本性はきっと……和泉さんに『断罪』されて然るべきものかもしれませんけれど
今は、今だけは───この『光芒』を……。

[メイン2] 弓箭猟虎 : ギュッ

[メイン2] 和泉 十七夜 : ………。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……しっかりと、支えてくれる彼女がいてくれるなら。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 感情など、抑えられない位に膨れ上がってしまうな!!!!!

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「さあ、行くぞ」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「ええ───!」

[メイン2] 弓箭猟虎 : その幻は 悲しくだけど優しく輝く

[メイン2] 和泉 十七夜 : 雷が伴う光は、やがて球体と成していき────

[メイン2] 弓箭猟虎 : 心に宿る 確かな意識を探した

[メイン2] 弓箭猟虎 : たった1つの 明日を夢みたいにも感じて

[メイン2] 弓箭猟虎 : この能力が今

[メイン2] 和泉 十七夜 :     レールガン
──── 超電磁砲

[メイン2] 弓箭猟虎 :

───『情熱』を放った

[メイン2]   : 飛来する、その質量を焦がすほどの勢いで放たれたソレは。

[メイン2]   : 大きな星へと直撃し────

[メイン2] : 塵塵にすら残さない勢いで。

[メイン2]   :  

[メイン2]   : 星は、残骸と化した。

[メイン2]   :  

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「………は、はははは…!!!」

[メイン2] 弓箭猟虎 : ……
じわっ、と浮かべるだけに留めていた涙が気づけば、頬を伝い
顎からポタポタと滴り落ちる。

[メイン2] 和泉 十七夜 : もう、何がおかしいのかわからないで。
それでも、笑ってしまう。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 自らがここまでできてからか。あるいは────

[メイン2] 和泉 十七夜 : 顔を、猟虎へと向けて。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「ありがとう、猟虎君」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 取り出したハンカチで、その雫を染み込ませていった。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───……和泉さん。わたくし、わたくし……」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「あっ……」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 和泉さんのハンカチに
わたくしの涙が、染みこんでいく。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「あ あはは こんなにわたくし……泣いて……うっ、うぁっ」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「うむ、自分と…そして、猟虎君のお陰でここまでやれたのだ、誇っていい」

[メイン2] 和泉 十七夜 : そうして、優しく抱き留める。
ゆっくりと、背中をさすりながら。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 遠慮なんて、もうしない。
わたくしは、おとなしく背中をさすられながら。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 『誇っていい』と言われて、何度も頷く。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……なんだか、その……可愛らしいような、むむ。
…こう言う感情は、邪か。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「猟虎君は、決して無力ではない」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…こうして、あれを壊せるほどだものな」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───はい……! ……それに」
森の方に、視線を送る。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「…………怪獣さん?」

[メイン2] 和泉 十七夜 : …そして、この星を打ち崩すことが出来たのは、もう一人の仲間の────

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……な、に…?」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 見えたのは、森の中……

[メイン2] 和泉 十七夜 : 薄れゆく、かの怪獣の姿であった。

[メイン2] 弓箭猟虎 : ───まるで、幻を見ていたかのように
『怪獣』は薄れていく。けれど、何故かそれを見て
悪意でも何でもなく、わたくしは笑顔を浮かべる。

[メイン2] 弓箭猟虎 : なぜ、薄れていくのか。
───それが何となくわかったから、かもしれませんわね。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……ああ、君も…お疲れ様、だ」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「……───ありがとう、ございます……!」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 悲しげに、眉を曲げながら。それでも笑顔で送り出す。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……自分が悲しくあってはならないな。
きっと、悲しんでいたらあの優しい彼はまた、駆け付けてしまうだろうから。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 遠くの星からやってきたのか、何もかもわからないけれど
あの怪獣は、愛と勇気を教えてくれた。
『誰も同じだ つらい事をみんな持ってる』事も……。

[メイン2] 弓箭猟虎 :

───He came to us from a star……

[メイン2] 弓箭猟虎 : わたくしは、余韻に浸り
そのまま和泉さんと、一緒に青空を仰ごうとした。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ────ただ、隕石を退けたとはいえ。
争いが終わったわけでは、ないのだ。

[メイン2] 和泉 十七夜 : かちゃり、と。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ”二度目”、手に何かが触れた。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 意識は、不幸にもそっちを向いておらず。
音がした時には、″手遅れ″だった。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「────」

[メイン2] 和泉 十七夜 : ”ソレ”を、見てしまった。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 袖の奥に潜み……こちらを向く、銃口。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 分解されてはいる、けれどそこにはある。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───……あっ」
袖口から覗く───銃口。
それは、意図せず和泉さんに向けられてしまってはいた。分解状態ではあるものの。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「…………す すいません 和泉さん、これは支給品の一つで───」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「ら、猟虎…くん…」

[メイン2] 和泉 十七夜 : ────ふと、彼女と過ごしていた時の違和感を思い出す。

[メイン2] 和泉 十七夜 : どくん。

[メイン2] 和泉 十七夜 : まさか、と思う心が。それを止められない。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ────『読心』

[メイン2] :

───獲物が最後に漏らす無様な悲鳴の愉悦。

[メイン2] :

そしてその愉悦を貪っていたのは。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「……読まれちゃいましたか」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 宝石が光る、その瞬間を
逃すことはできなかった。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 予期せぬものだったから。ぶわ、と。
彼女の奥に潜む闇に、取り込まれそうになり。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……………」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「猟虎君、君は…一体」

[メイン2] 和泉 十七夜 : ただ、それでも、目はしっかりと彼女に向けたまま。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───これは、支給品ではなく……自前」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「炭酸ガスの圧力を用いて、音もなく発射される狙撃銃です」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「いつでも『任務』を遂行できるように」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「その”任務”とやらが」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「そして───実力を誇示し獲物がもだえ苦しむ様に喜びを見出す為に、けれどそれは自分だけの物として。対象にも、周りにも一切気取られる事なく」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───暗殺者《スナイパー》」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……君の、遂行する”心”というのだな」

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……嫌悪、してしまった。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 猟虎くんに、では、ない。

[メイン2] 和泉 十七夜 : その心の内をこのような”魔法”なぞに頼ってしまったことが。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 『親友』であるにもかかわらず、だ。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───完璧に、演じ切ったはずなのですが……最後の最後でわたくしはヘマをしてしまいましたね……和泉さん」

[メイン2] 弓箭猟虎 : これでもか、と怪しげな笑みを浮かべてみる。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「ああ、見抜けなかったさ。こんなインチキに頼るまで、決してな」

[メイン2] 和泉 十七夜 : その笑いに、宝石を小突きながら。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「猟虎くん、自分が」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「それに気づけなかったのは、落ち目だ」
ぽつぽつ、こぼすように。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……だが、何故だ?」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「なぜ、そんな事を…しているのだ……優しい、君が」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「それと、これとは″別″ですから……何せ、今回の旅行も……こはねさんに誘われて……意を決したのも確かですが、誘われなくても乗っていました」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───DIOを殺害する為に」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「けれど……でも……正直、わかりません……」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「友を、か」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「ああ」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「DIO……DIOさんも……『親友』でした、初めて親友を手にかけろなんて言われて」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「いや、依頼主は、そんな関係、気づいてなかったわけですけど」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「……だから……わたしはずっとおとなしくしていました」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「けれど、縁壱さんに斬り倒されたあの死体を見て、やはり」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「わたしには、まだ『ハンターとしての愉悦』が残っていたようです」

[メイン2] 和泉 十七夜 : ────脳裏に裏返るのは、獲物に食らいつく喜びを覚えている、彼女。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…その愉悦は、決して消せないもの、なのだろうな」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「ええ、きっと───殺虫剤メーカーにゴキブリは害虫だと腐るほど言われて、ゴキブリを嫌悪するのと同じように」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「わたしは、身を置いた環境が悪かったですね」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 過去は、確かに追ってくる。
まとわりつくように、自らに関わりなく、だ。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「ああ、確かに…君の過去は、拭えないものだろう」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……だがな、猟虎君」

[メイン2] 和泉 十七夜 : ぐい、と一歩踏み込んで。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 肩を掴み、感情のこもった瞳で、見つめる。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───和泉さん?」
わたくし、……わたしはぐい、と一歩踏み込まれたのに
そのまま動かず。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「その過去に縛り付けられたままで、いいのか?」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───ええ、本当は……『親友』と『親友』らしく居続けたいです」

[メイン2] 和泉 十七夜 : ただじっと、心を見透かすように。
目の奥を、見つめる。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……ああ」

[メイン2] 弓箭猟虎 : ───けれど、狩りを、欲してしまう。愉悦を。
親友という対象とは、また別に。

天秤にかけても、きっとブレる事はない。何故ならそもそも別の天秤なのだから。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「…………和泉さん、それにわたくしは『組織の人間』なわけです」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「誰かが連れ出しでもしない限りは、とてもとても」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「馬鹿な事を言うな」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「え───」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「『誰かの苦しみを背負える余裕はある』」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「自分にだって、その余裕くらいあるんだぞ?」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「少なくとも、お前のような一人で重りを背負おうとするよりはな」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「ッッ!! ……───和泉さん、それはどういう」
私自身の台詞を、和泉さんが放ち……私は思わず動揺する。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「……まさか、あなたが私を組織から連れ出そうとでも」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…自分自身の話だ」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「……『自分自身』の……」

[メイン2] 和泉 十七夜 : ただ顔は向けたまま。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「”過去”に囚われて、もがきたくてももがけない」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…それは、自分も同じだ」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「だからこそ、他人事とは思えなくてな」

[メイン2] 和泉 十七夜 : にこり、と笑って見せる。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ────和泉 十七夜は、先祖が犯した”過去”の罪を、今になって背負っていた。

[メイン2] 和泉 十七夜 : その罪を、”仲間”にも向けられており。
その罪は、”自分”を絡めたまま動かない。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「…………和泉さん」
その笑みにあてられたのか、自然と自分も笑みを零す。
けれど、ハンターとして獲物の苦しみに愉悦を見出すことは、いまだに私にとっての苦しみではない。なら、どうすればいいのか。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 他人を知って、罪が過去にあったなんて、知らない。
だからこそ。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「君のその愉悦は、だな」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……自分に向けてくれないだろうか?」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───!!!」

それは、何を意味するのか。
私自身には即、わかった。

[メイン2] 和泉 十七夜 : その”過去”が、猟虎君が今を作る物であったならば、仕方ないのだ。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…君の罪も、これからの罪も…」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「全て、自分が背負って見せよう…案外頑丈なんだぞ、自分は」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「……もし、私が組織を抜けようとするなら……それ相応のリスクを負うのも私です……そして、私が親友に対して───向けてもなお、天秤が親友に振れないかも確かめたい」
和泉から、目を逸らさない。

[メイン2] 和泉 十七夜 : はは、と笑いながら。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……ああ」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 私は、カチリ、と音を鳴らして───狙撃銃を組み立てる。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「こはねさんにも、あの怪獣さんにも……本当に申し訳ないのは事実です」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「────ッ」
ぞくり、と、一瞬切り替わったその顔に、気圧されて。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「ですが……今のあなたなら……この銃で殺される事もない
 ただ……苦しみ悶える、かも、しれませんね」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……う、うむ……」
やはり、驚きはするが……それでも、想いを耐えるために。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「ああ、きっと苦痛だろうが」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「承知の上だ」
手を広げて、その銃口を向いたまま。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 私は、その時───……この予告された銃撃ぐらいは
和泉さんは避けてくれると、どこかで思い込んでいた。

[メイン2] 弓箭猟虎 :

しかし、手を広げられたのを見て───気づいたときには

[メイン2] : パァン……

と乾いた音が響く

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───え?」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「和泉さん……っ!! 和泉さんってば……!!」
私は、目を見開いて
手も、背中も、びっしゃりと汗で濡れながら駆け寄る。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…く、ふ、ははは……ぐうう……」

[メイン2] 和泉 十七夜 : にこりと笑ったまま、駆け寄る彼女に向けて。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「あ あぁあ……!」
死にはしない。死にはしないけど、苦しんでいる。悶えている。
和泉さんが───

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「一発、ぐ…っは、貰ったぞ、確かに……ッ、はぁっ」

[メイン2] 和泉 十七夜 : ────笑いは、歪んでいる。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 白の衣装が、染み込む朱色によって塗り替えられていく。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 私は、何も持っていない。
人を殺める道具しか。だから、私は歪んだ笑いを浮かべる和泉さんに、涙をぽつりと落としながら
何度もその名前を呼んだ。

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……ッ、ああ!!この痛み、確かに苦しいが、ああ。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「君の事を思えるなら、蚊に刺されるよりも痛くないな」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「猟虎」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 名前を呼ばれて、それに返すように。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「和泉さん───……!」
ぎゅっ、と手を握り。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「撃っても、嬉しくないです、今、私は何も嬉しくなかったです」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……お眼鏡にかなう獲物だった、かな…」
その手を、しっかりと握って。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……そうか」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───獲物、なんかじゃあありません!!!」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「………ッ」

[メイン2] 和泉 十七夜 : その声に、ハッと…見上げて。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「…………和泉さん ……『和泉 十七夜』ッッ!!!」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「私にとって、あなたは……あなたは……掛け替えのない……! 大事な……」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「…………『親ゆ……』………」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「…………」

[メイン2] 弓箭猟虎 :  

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「……赤い糸で結ばれた……大事な人です」

[メイン2] 弓箭猟虎 :  

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「──────」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 顔が、動かない。

[メイン2] 和泉 十七夜 : いつもの態度もどこへやら、ただぽかんと口を開けて。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…は、はは、ふふ……っ」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 思わず、彼女の胸元に飛び込んでいた。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「はぅああっ!!」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「そう、だな…大事な人、だ」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 緊張も何もかも切れたように、今度はこちらが涙でぬれてしまう。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「…本当に、本当に…大切な人」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───…………和泉さん、和泉さんも私の事……大切に思ってるって事で、い、い、い、いいんですか……!」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「って 無粋ですよね」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「いいや、無粋じゃないさ」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「聞きたいなら、何度も言ってやるし」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───!」
ああ、私の心が洗われていく。
こんな事が、こんな事が私みたいな、ぼっち……いや元ぼっちにあっていいんでしょうか? いえ、きっと……いいんですよね

[メイン2] 和泉 十七夜 : …そう、仲間でもなく、”大切な人”。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 責任感も、過去やら何やらで、がんじがらめになっていた自分。
だからこそ、そんなちっぽけな自分を、大切と言ってくれて。

[メイン2] 和泉 十七夜 : なにより、ここで寄りかかっていられることこそが。
嬉しかった。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 涙を滲ませる、和泉さん。
身体の芯から熱くなってくる、私。
すぐ、近くに和泉さんの、声がして。それは私だけに聞こえている、否、『聴』こえている。

[メイン2] 弓箭猟虎 : ───和泉さん

[メイン2] 弓箭猟虎 : けれど私は、狩猟者ですよ。

[メイン2] 弓箭猟虎 : こんな事したら こんな事したら

[メイン2] 弓箭猟虎 :  

[メイン2] : 不意に、和泉の口元に柔らかい感触が伝わった。

[メイン2] :  

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「…………」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「こうなっちゃうわけです、よ」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「………」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 思わず、顔に赤色がともる。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「う、う、うむ」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「……! あ、あ、ごめんなさい! ついやってしまって……! と、とにかく、さあ……えっと!」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「………そ、その……まあ、嬉し、かった、ことは、そうだが」

[メイン2] 和泉 十七夜 : どもりながらも、口がうまく動かず。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……あ、ああ」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「あ、う、嬉しかった、えっ、嬉しかったんですか! はぅあっ! あ あわわわ……あっ!!!」
立ち上がり。

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「こはねさん!!!」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「こはねさん、まだ無事かわかってないです!!」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……う、うむ……!!」

[メイン2] 和泉 十七夜 : 口元に残ったその痕を、思わずなぞり。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……そうだな、行、こう」

[メイン2] 弓箭猟虎 : 「───怪獣さん……ううん、ネコちゃんの事も言わないとね」

[メイン2] 和泉 十七夜 : ……初めて、だったものだから、その。
…なんだか色々とわからないが。……嬉しい、その気持ちはあった。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 「……友だったもの、な」

[メイン2] 和泉 十七夜 : そう言って、立ち上がる。
撃たれた痛みは引いて、歩けない程ではないが。

[メイン2] 和泉 十七夜 : 二人で、こはるを待つように────

[メイン2] 和泉 十七夜 :  

[メイン2] 和泉 十七夜 :  

[メイン2] 和泉 十七夜 :  

[メイン2] 弓箭猟虎 : 後日、DIO暗殺の任務を放棄した私は、組織を追われる身となった。
───熾烈な逃走劇。オムライスを食べる約束なんか、果たせない。
そう脳裏に過ぎらせた、その時だった。

[メイン2] : スター・プラチナッ!! 「ザ・ワールド」!

[メイン2] 弓箭猟虎 : その声と共に、雪崩れ込んでくる。
人々───そしてその、更に奥から光が差す。

[メイン2] 弓箭猟虎 : あの───『光芒』は

[メイン2] 弓箭猟虎 :  

[メイン2] 弓箭猟虎 :